新潟で家具の補修・修理・塗り直し・再生などを手掛ける「愛着工房いしかわ」の孤軍奮闘ブログ

新潟県阿賀野市にて、ひとりで家具や住宅内部木部の補修などをやってます。オリジナルダイニングテーブルなど家具も製作してます。

漆塗り座卓の塗り直し

おそらく新潟塗りの漆塗り座卓。

処分しようと思ってたけど、やっぱり長年使って思い入れがあるので、

治してほしいという依頼が来ました。

 

現状は脚のガタつきが見られることと、

塗りが経年劣化でどんどん落ちてきているのが確認できます。

 

天板を雑巾で拭く度に、赤いものが付いてくるということでした。

こうなると、もう劣化は止まりません。

 

僕も漆が塗れないことはないですが、

予算的な都合上、家具用ウレタン塗料で塗り直すということになりました。

ウレタン塗料というと拒否反応を示す方がいらっしゃいますが、

食器などにも使われていますし、

塗り方を間違えなければ、木の保護や化粧といった観点から、優れたものです。

耐久性もよく、手入れも簡単ですので、

僕はほとんどウレタン塗料で補修をしています。

 

この手の座卓は、ご覧のように地模様が入っていますので、

下まで漆を落とすと、まったく趣の違うものになってしまいます。

かといって、完全に新品当時の姿を復元するとなると、

相当な時間と手間を要し、手頃な価格では治すことができません。

予算とお客さんの希望などをよく話合いながら、修復方法を決めていきます。

 

結果、模様は現状程度は残し、色あせがあまり目立たなくなる程度まで、

多少ブラウン系の色でカラーリングし、仕上げることにしました。

模様があまり消えてしまわないように、染料系でカラーリングし、

クリアーは3回吹き付けています。

 

当然、色落ちは止まり、今後も長くお使いいただけると思います。

処分してしまわないで、ほんとうによかったと思います。

 

今回も動画での説明です。

毎回、台本も書かず、一発撮りで、思いつくまましゃべっていますので、

噛んだり、お聞き苦しい点も数多くあるかと思いますが、ご笑覧ください。


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