輪切り座卓補修
お久しぶりの更新です。
今回は、昔、けっこうはやっていた輪切りの座卓の補修です。
だいたいがポリウレタン塗装という分厚い塗装でコーティングされています。
長年の間に木が割れ、そこから分厚い塗膜が浮き上がり、剥がれ、
無残な姿になってしまうというのが、まあ普通の流れです。
過去にも、このタイプの座卓は何度か手がけておりますが、
とにかく、痛んだポリウレタン塗装を剥がすのに相当苦労しますので、
なるべくお請けしない仕事のひとつです。
が、今回は、他にもいくつか仕事をさせていただいたお宅ですので、
時間をそうとういただいてとりかかりました。
剥離剤はあまり使いたくないのと、これだけの厚みの塗装には、なかなか効かないので、まずはノミなどを使ってはつり、その後、電動カンナで削っていきます。
あともう少しというところで、電動カンナのモーターが焼けて昇天してしまいました(涙)
想定より早めの出番となりますが、手持ちベルトサンダーで削ります。
ペーパーの番手を上げつつ、根性と気合の作業。
割れている部分に特殊なパテを入れます。裏まで貫通してるので、裏側からも充填していきます。パテの選定は重要。
パテ部分は先に着色しておきます。
ここから下塗り
そして研磨
この下塗り、研磨という作業を繰り返します。今回は10回ほど繰り返したでしょうか。
十分に下地が仕上がったところで、カラーリングです。パテを埋めたところを完全にわからなくするのは無理ですが、ぼかしなどをしつつ、目立ちにくくする意味もあります。やりすぎると木目が消えてしまい台無しになるので、あせらずに。
最後に仕上げ塗り。薄く3回ほど。
脚も同様の作業をして、仕上げ。
納品、設置完了。
最初の状態から見違えるように綺麗になりました。艶も抑え気味にしてあるので上品です。当時のポリウレタン塗装はなんだか分厚いビニールでコーティングされているかのようなものですので、このように補修することによって、より木質感も上がったのではないでしょうか。末永くお使いいただきたいと思います。
でも、正直、この手の座卓はやりたくないのが本心です(笑)
途中で心が折れそうになるほど大変なんです。