新潟で家具の補修・修理・塗り直し・再生などを手掛ける「愛着工房いしかわ」の孤軍奮闘ブログ

新潟県阿賀野市にて、ひとりで家具や住宅内部木部の補修などをやってます。オリジナルダイニングテーブルなど家具も製作してます。

輪切り座卓補修

お久しぶりの更新です。

 

今回は、昔、けっこうはやっていた輪切りの座卓の補修です。

だいたいがポリウレタン塗装という分厚い塗装でコーティングされています。

長年の間に木が割れ、そこから分厚い塗膜が浮き上がり、剥がれ、

無残な姿になってしまうというのが、まあ普通の流れです。

 

過去にも、このタイプの座卓は何度か手がけておりますが、

とにかく、痛んだポリウレタン塗装を剥がすのに相当苦労しますので、

なるべくお請けしない仕事のひとつです。

が、今回は、他にもいくつか仕事をさせていただいたお宅ですので、

時間をそうとういただいてとりかかりました。

 

剥離剤はあまり使いたくないのと、これだけの厚みの塗装には、なかなか効かないので、まずはノミなどを使ってはつり、その後、電動カンナで削っていきます。

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あともう少しというところで、電動カンナのモーターが焼けて昇天してしまいました(涙)

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想定より早めの出番となりますが、手持ちベルトサンダーで削ります。

ペーパーの番手を上げつつ、根性と気合の作業。

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割れている部分に特殊なパテを入れます。裏まで貫通してるので、裏側からも充填していきます。パテの選定は重要。

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パテ部分は先に着色しておきます。

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ここから下塗り

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そして研磨

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この下塗り、研磨という作業を繰り返します。今回は10回ほど繰り返したでしょうか。

 

十分に下地が仕上がったところで、カラーリングです。パテを埋めたところを完全にわからなくするのは無理ですが、ぼかしなどをしつつ、目立ちにくくする意味もあります。やりすぎると木目が消えてしまい台無しになるので、あせらずに。

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最後に仕上げ塗り。薄く3回ほど。

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脚も同様の作業をして、仕上げ。

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納品、設置完了。

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最初の状態から見違えるように綺麗になりました。艶も抑え気味にしてあるので上品です。当時のポリウレタン塗装はなんだか分厚いビニールでコーティングされているかのようなものですので、このように補修することによって、より木質感も上がったのではないでしょうか。末永くお使いいただきたいと思います。

 

でも、正直、この手の座卓はやりたくないのが本心です(笑)

途中で心が折れそうになるほど大変なんです。