新潟で家具の補修・修理・塗り直し・再生などを手掛ける「愛着工房いしかわ」の孤軍奮闘ブログ

新潟県阿賀野市にて、ひとりで家具や住宅内部木部の補修などをやってます。オリジナルダイニングテーブルなど家具も製作してます。

船箪笥の補修と化粧なおし

ようやく忙しいのも一段落の感がありますが、
こうなってくると、今後の仕事(収入)のことが気にかかり、落ち着きません。
適度に、そして、先々までお金のことを気にしないで、
落ち着いて仕事をしたいものですが、それはずーっと解決しないものなのかも。


さて、そんな中。
ひと月以上、お客様を待たせた末に、ようやく補修を終えたものがこれです。


「船箪笥」


船箪笥というのは、昔、北前船などの商船に積まれていた箪笥のことを言います。
ケヤキなどの堅くて頑丈な材を用い、
その造りも堅牢そのもの。
補強と装飾を兼ねて、金具が多くつけられています。
当時、佐渡が船箪笥の最大の生産地だったので、
この船箪笥も、おそらく佐渡産でしょう。


補修個所としては、金具の一部欠損、
錠をかけたまま、鍵をなくしてしまったため、解錠と錠の無効化、
引戸が固着しているので、その解消、
および、全体の化粧なおしでした。


金具は手持ち部材を加工してなんとかカタチにし、
鍵は金具を取り外し、錠部分を分解して解消。


引戸は衝撃を与えたのち、取り外そうとしましたが、うまくいきません。
調べると、簡単にははずれないように、仕掛けがしてありました。
その仕掛けを見抜いて、はずし、微調整して取り付けました。


化粧なおしに関しては、
金具の錆を落とし、黒く塗装。
木地についた汚れや傷を丹念に削り落し、再塗装。


と、言葉で表せば、すぐなのですが、かなり大変な作業ではありました。


納品に行くと、
玄関広間の一番目立つ場所に置き場を用意されていて、
うれしく、また、苦労したかいがありました。
ちなみに、写真で船箪笥の上に乗っている小箱は
お客様のもので、うまい具合に色が合いました。


お客様に
「いやー、綺麗になりましたね。こんな技術があれば千客万来ですね」
とうれしいお言葉を頂戴いたしましたが、
そううまくいかないのが現状でございます。
どういう風に「愛着工房いしかわ」という存在を、
もっともっと知ってもらうか。
それが僕の永遠の課題です。


いい知恵をお持ちの方、また、協力していただける方、
仕事を紹介していただける方、ご意見をお待ちしています。