漆塗り座卓の塗り直し
おそらく新潟塗りの漆塗り座卓。
処分しようと思ってたけど、やっぱり長年使って思い入れがあるので、
治してほしいという依頼が来ました。
現状は脚のガタつきが見られることと、
塗りが経年劣化でどんどん落ちてきているのが確認できます。
天板を雑巾で拭く度に、赤いものが付いてくるということでした。
こうなると、もう劣化は止まりません。
僕も漆が塗れないことはないですが、
予算的な都合上、家具用ウレタン塗料で塗り直すということになりました。
ウレタン塗料というと拒否反応を示す方がいらっしゃいますが、
食器などにも使われていますし、
塗り方を間違えなければ、木の保護や化粧といった観点から、優れたものです。
耐久性もよく、手入れも簡単ですので、
僕はほとんどウレタン塗料で補修をしています。
この手の座卓は、ご覧のように地模様が入っていますので、
下まで漆を落とすと、まったく趣の違うものになってしまいます。
かといって、完全に新品当時の姿を復元するとなると、
相当な時間と手間を要し、手頃な価格では治すことができません。
予算とお客さんの希望などをよく話合いながら、修復方法を決めていきます。
結果、模様は現状程度は残し、色あせがあまり目立たなくなる程度まで、
多少ブラウン系の色でカラーリングし、仕上げることにしました。
模様があまり消えてしまわないように、染料系でカラーリングし、
クリアーは3回吹き付けています。
当然、色落ちは止まり、今後も長くお使いいただけると思います。
処分してしまわないで、ほんとうによかったと思います。
今回も動画での説明です。
毎回、台本も書かず、一発撮りで、思いつくまましゃべっていますので、
噛んだり、お聞き苦しい点も数多くあるかと思いますが、ご笑覧ください。